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ORAL MUCOSA

口内炎のご相談

お口の粘膜のお悩みをご相談ください。

口内炎とは

頬の内側や唇の裏、舌など、お口の粘膜に起こる炎症です。小さくても食べ物がしみたり、会話や歯磨きの際に痛んだりすることがあります。

よく見られる「アフタ性口内炎」は、中心が白っぽく、周囲が赤い、円形や楕円形の浅い潰瘍です。ただし、白い部分や痛みがあるからといって、すべて同じ種類の口内炎とは限りません。

下唇の内側にできた、中心が白っぽく周囲が赤い口内炎の説明イラスト
アフタ性口内炎の見た目の一例。AIで作成した説明用イラストで、実際の症例写真ではありません。

口内炎ができるきっかけ

頬を噛んだ傷・歯や入れ歯の刺激
頬や唇を噛んだり、とがった歯や入れ歯などが繰り返し当たったりすると、粘膜が傷つくことがあります。熱い飲食物によるやけども原因になります。
疲れ・睡眠不足・食生活の偏り
体調や生活習慣が関係する場合もあります。原因を一つに決めつけず、できる頻度や普段の生活も確認します。
感染・お薬・全身の病気
ウイルスやカンジダなどによる炎症、薬の影響、全身の病気に伴う粘膜の変化もあります。繰り返す場合や広い範囲に症状がある場合は、診察を受けましょう。

口内炎を繰り返す原因とその対策

口内炎がなかなか治らない、何度もできる場合には、疲れやビタミン不足だけでなく、お口の中の刺激・栄養の偏り・全身の状態を合わせて確認することが大切です。

よくみられる「再発性アフタ性口内炎」は、原因がはっきり分からないことも多く、体質に加えて、ストレスや睡眠不足、栄養不足、体調の変化など、複数の要因が関わると考えられています。当院では、できる場所や頻度、生活習慣、服薬歴などを整理しながら診察します。

  • 同じ場所に繰り返す:歯や詰め物、入れ歯、噛みぐせなどの刺激を確認します。
  • いろいろな場所に繰り返す:再発性アフタのほか、栄養状態や全身的な要因も考えます。
  • 同じ場所にずっとある・硬い・長引く:繰り返す口内炎とは区別し、感染症や、まれに口腔がんなど別の病気がないか確認します。
歯や入れ歯による刺激と、疲労や食生活などの要因を示すイラスト
局所の刺激と全身の状態を合わせて確認します。 AIで作成した説明用イラストで、実際の症例写真ではありません。

お口の中の刺激を確認します

毎回ほぼ同じ場所にできる場合は、まず粘膜に繰り返し当たるものがないかを調べます。頬の内側や舌のふちなど、痛む場所と歯・詰め物・入れ歯との位置関係が手がかりになります。

とがった歯・欠けた歯・合わない詰め物や入れ歯
縁が粘膜に当たり続けると傷や潰瘍の原因になります。調整が必要か歯科で確認します。ご自身で削らないでください。
頬や舌を噛むくせ・強すぎる歯みがき
無意識の噛みぐせや、硬い歯ブラシを強く当てる習慣が粘膜を傷つけることがあります。
お口の乾燥
唾液が少ないと粘膜が刺激を受けやすくなります。乾燥感が続く場合は、服薬や口呼吸なども含めてご相談ください。
歯みがき粉・洗口液・食べ物の刺激
発泡剤のSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)などが刺激になる方もいます。しみる場合は低刺激の製品を検討し、辛いもの・酸っぱいもの・熱いものは控えましょう。

ヘルペスやカンジダなどの感染による炎症は、一般的なアフタとは治療が異なります。見た目だけで判断せず、広がる、水ぶくれがある、薬を使っても改善しない場合は受診してください。

全身の状態が関係することもあります

睡眠不足や疲労、ストレス、月経前後などの体調の変化に伴って再発することがあります。一方、症状によっては全身の病気や薬の影響を確認する必要があります。

患者が歯科医師に相談し、睡眠やお腹、目や皮膚の症状も確認するイラスト
お口以外の症状や、服用中のお薬も診察の手がかりになります。 AIで作成した説明用イラストで、実際の症例写真ではありません。
免疫・炎症や腸の病気
ベーチェット病では口内炎とともに目の症状、皮膚症状、外陰部の潰瘍がみられることがあります。クローン病や潰瘍性大腸炎などの腸の病気でも、お口に症状が出ることがあります。口内炎だけでこれらの病気と決まるわけではありません。
貧血・血液の異常・免疫の低下
鉄などの不足や、白血球の一種である好中球の減少などが関係する場合があります。強い症状や治りにくさが続く場合は、全身状態も確認します。
水ぶくれや広いただれを伴う病気
自己免疫性の病気など、通常のアフタとは異なる粘膜の病気もあります。皮膚など、お口以外の症状もお伝えください。
薬の影響
一部の鎮痛薬、循環器の薬、抗がん剤などで口内炎や潰瘍が起こることがあります。薬は自己判断で中止せず、処方した医師や歯科医師にご相談ください。

発熱、続く下痢や腹痛、体重減少、目の痛み・見えにくさ、皮膚症状、外陰部の潰瘍がある場合は必ずお知らせください。必要に応じて医科と連携します。急な目の痛みや見え方の変化がある場合は、速やかに眼科などへご相談ください。

栄養不足と口内炎の関係

「口内炎はビタミン不足」と一つに決めつけることはできません。ただし、繰り返す口内炎では、鉄・ビタミンB12・葉酸などの不足が関係する場合があり、症状に応じて亜鉛も確認します。

鉄を含む肉やあさり、B12を含む魚や卵、葉酸を含む野菜、亜鉛を含む牡蠣やナッツのイラスト
食事を整えるときの食品例です。栄養素はさまざまな食品に含まれます。 AIで作成した説明用イラストで、実際の症例写真ではありません。
鉄
血液や粘膜の健康を保つために必要です。不足すると、舌のヒリヒリ感や口角の荒れを伴うこともあります。食品の例:赤身肉、あさり、大豆製品、レバー。
ビタミンB12
血液をつくる働きや細胞の働きに関わり、不足すると舌炎や口内炎などがみられることがあります。食品の例:魚、肉、卵、乳製品。
葉酸
細胞分裂や血液をつくる働きに必要です。不足すると貧血や粘膜のトラブルにつながることがあります。食品の例:ほうれん草、ブロッコリー、枝豆。
亜鉛
傷の修復や味覚などに関わります。不足すると味覚の変化などを伴うことがあります。食品の例:牡蠣、牛肉、ナッツ類。

口内炎がある方すべてに栄養不足があるわけではなく、特定の食品やサプリメントで必ず治るわけでもありません。主食・主菜・副菜を組み合わせ、極端な食事制限を避けましょう。サプリメントの過剰摂取は避け、不足が確認された場合に医師の指示で適切に補います。

検査や医科受診を検討する場合

何度も繰り返す、一度にたくさんできる、強い痛みがある、全身症状を伴う場合には、局所の診察だけでなく、必要に応じて医科での検査や専門医への紹介を検討します。

血液検査では、血算(貧血や白血球の異常)、フェリチン(体内に蓄えられた鉄)、鉄、ビタミンB12、葉酸などを確認することがあります。症状や病歴によっては、亜鉛、炎症反応、血糖・HbA1cなども検討されます。

すべての方にすべての検査が必要なわけではありません。貧血がなくても鉄が不足している場合があるため、検査値は全身状態と合わせて医師が判断します。必要な検査は、連携する医療機関などでご案内します。

長引く口内炎は、ご相談ください

一般的なアフタ性口内炎は1〜2週間ほどで改善することが多いですが、2週間以上治らない場合は、口内炎以外の病気がないか確認が必要です。痛みが少なくても、次のような変化があれば早めにご相談ください。

  • 大きくなる、硬いしこりがある、出血する。
  • 同じ場所に繰り返しできる、数が多い、広範囲にできる。
  • 白い部分や赤いただれが消えない。
  • 痛みが強く、食事や歯磨きに支障がある。

水分がとれない、発熱を伴うなどの場合は、2週間を待たずに受診してください。必要に応じて、専門の医療機関をご紹介します。

2週間以上続く口内炎、硬さや繰り返し、発熱について受診を促すイラスト
2週間以上治らない・硬い・繰り返すなどの変化はご相談を。強い痛みや水分がとれない場合は待たずに受診してください。 AIで作成した説明用イラストで、実際の症例写真ではありません。

診察と治療の流れ

  1. いつから・どこにできたかを確認

    症状が始まった時期、痛み、繰り返す頻度、お薬や持病についてお聞きします。

  2. 粘膜と、刺激になっている部分を診察

    できものの状態に加え、歯や詰め物、入れ歯などが当たっていないかを確認します。刺激の原因がある場合は、調整などを検討します。

  3. 状態に応じた処置・お薬をご案内

    原因や症状に合わせて、塗り薬などの使用を検討します。感染による炎症などでは治療が異なるため、市販薬を使っても改善しない場合はご相談ください。

  4. 治り具合を確認

    改善しない場合や、詳しい検査が必要と判断した場合は、口腔外科などの専門医療機関と連携します。

炭酸ガスレーザーを用いた処置

当クリニックでは、口内炎の処置などに炭酸ガスレーザーを使用しています。使用するかどうかは、粘膜の状態や症状に応じて判断します。

すべての口内炎にレーザーを使うわけではありません。まず原因を確認し、適した治療をご説明します。

処置に使用する機器について →

ご自宅では、刺激を減らして清潔に

  • 痛む部分をこすらず、やさしく歯磨き。口内炎を避けながら、お口を清潔に保ちましょう。
  • しみるもの・熱いものを控える。辛いものや酸味の強いものなど、刺激になる飲食物は避け、食べやすいものを選びます。
  • 十分な休養と水分補給。睡眠を確保し、無理のない範囲で偏りの少ない食事を心がけましょう。
  • 触ったり、白い部分をはがしたりしない。入れ歯や装置が当たる場合も、ご自身で削らずご相談ください。

繰り返しにくくするための予防と対策

  1. 刺激の原因を減らす

    とがった歯や合わない詰め物・入れ歯は歯科で確認し、必要に応じて調整します。やわらかい歯ブラシでやさしく磨き、刺激を感じる歯みがき粉は見直しましょう。

  2. お口の乾燥を防ぐ

    こまめに水分をとり、口呼吸や鼻づまり、唾液の減少が気になる場合はご相談ください。状態に応じて口腔保湿剤などを検討します。

  3. 食事と生活のリズムを整える

    偏食や極端なダイエットを避け、十分な睡眠と休養を心がけます。再発した日や食事、睡眠、体調をメモすると、きっかけを振り返る助けになります。

  4. 痛みが強い場合は早めに相談する

    原因を確認したうえで、炎症を抑える塗り薬などを検討します。感染が原因の場合には治療が異なるため、手元の薬を漫然と使い続けないようにしましょう。

口内炎が続くときは、我慢せずご相談ください。局所の刺激、栄養状態、体調などを一緒に確認し、必要な診療につなげます。

受診時に教えていただきたいこと

「いつからあるか」「前にも同じ場所にできたか」「食事や水分がとれるか」をお伝えください。使用した塗り薬や服用中のお薬がある場合は、名前が分かるものやお薬手帳をお持ちください。

参考:茅ヶ崎徳洲会病院「口内炎」 / 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口腔・咽頭の病気」 / NHS「Mouth ulcers」 / UCLH「Recurrent aphthous stomatitis ulcers」