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毎日の口腔ケアが
感染症予防につながる可能性
―広島大学病院の研究
広島大学病院の入院患者さんを対象とした研究で、歯科医師・歯科衛生士の指導のもと、歯みがきや洗口などの「セルフオーラルケア」を促す取り組みを行った患者群では、前年同時期の患者群と比べて、肺炎・菌血症・尿路感染症の発症率が低かったことが報告されました。
口腔ケアと3つの感染症を調べた研究
広島大学病院では、1週間以上入院し、ご自身で口腔ケアができる20歳以上の患者さんを対象に、入院時に歯ブラシなどを配布し、歯科医師・歯科衛生士が磨き残し、入れ歯の清掃、口腔内の保湿などを指導するセルフオーラルケアのプログラムを実施しました。
広島大学病院の発表では、プログラムを実施した4,893人と、前年同期間の入院患者さんを比較したところ、院内でみられる主な感染症の発症率に次の差がみられたと報告されています。
※上記は広島大学病院が公表した入院患者の比較結果です。一般の方に同じ割合の効果が得られることを示すものではありません。
なぜ「お口のケア」が全身の感染症と関係するのでしょうか
口の中には多くの細菌が存在します。とくに入院中は、体力の低下、食事や生活環境の変化、口腔乾燥などによって口腔内の環境が変化しやすくなります。歯垢や舌の汚れなどを減らし、清潔な状態を保つことは、口の中の細菌量を減らすうえで大切です。
口腔内の細菌が唾液などとともに気道へ入り込むことは、肺炎のリスク要因の一つと考えられています。今回の研究は、医療者がすべての口腔ケアを行うのではなく、患者さん自身が継続してセルフケアを行う仕組みに注目した点が特徴です。
- 対象
- 広島大学病院に1週間以上入院し、自分で口腔ケアができる成人患者
- 実施期間
- 2022年7月から9か月間
- 主な内容
- 歯ブラシ等の配布、1日3回の歯みがき・洗口の推奨、歯科医師・歯科衛生士による個別指導
- 比較
- 前年同時期の入院患者群との比較
大切なのは「特別なこと」より、毎日の基本的なケア
この研究は入院患者さんを対象としたものですが、毎日の口腔清掃を習慣にすることの大切さを改めて示す結果といえます。歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には、フロスや歯間ブラシを使い、舌の汚れが多い場合は舌を傷つけないよう適切に清掃することも重要です。
また、磨いているつもりでも、磨き残しがいつも同じ場所に残っていることがあります。定期的な歯科受診では、むし歯や歯周病のチェックだけでなく、現在の磨き方で十分に清掃できているかを確認し、ご自身に合ったケア方法を見直すことができます。
毎日のセルフケアを、定期的に見直しましょう
「どこに磨き残しが多いか分からない」「フロスや歯間ブラシの使い方が合っているか不安」という方は、メンテナンス時にご相談ください。お口の状態に合わせて、無理なく続けやすい方法をご案内します。
参考情報
- 広島大学病院「セルフオーラルケアで感染症予防に効果」2026年9月15日 ↗
- Yoshida T, et al. Association between an inpatient oral self-care promotion programme and hospital-acquired infections. PubMed ↗
この記事は公開された研究・大学病院の発表をもとに、患者さん向けに内容を整理したものです。感染症の予防には全身状態や基礎疾患、入院環境など多くの要因が関係します。
